防水工事の目的
RC(鉄筋コンクリート構造物)、RC(鉄骨鉄筋コンクリート構造)、S(鉄骨構造物)などの構造物では、ほとんどのものが屋上面又はベランダ等にコンクリートを用いています。
そのコンクリートが打設後に初期硬化収縮による収縮クラック(ひび割れ・裂け目・割れ目)を発生し、その後いろいろな環境状況(建物の動きや温度変化等)または設計や施工時の欠陥によって最初の収縮クラックだったものから構造クラックと言われるものが発生します。
コンクリート面にクラックが発生するとコンクリートの劣化・老化を速めると同時に漏水を発生させます。そのために一般的には防水工を施します。収縮量の少ないコンクリートによるコンクリート防水という工法もあります。
このように、防水工はコンクリート構造物の建物と室内環境を守るという目的があります。
防水の種類
防水の種類には、1)アスファルト防水 2)改質アスファルト防水 3)シート防水 4)塗膜
防水などがあります。
1)アスファルト防水
アスファルト、アスファルトルーフィングなどを数層重ね合わせて防水層を作る工法。
2)改質アスファルト防水
アスファルトに合成ゴム等を混ぜて低温での柔軟性を高めた材料をシート状にしたもを
下地に張り付ける工法。貼り付ける工法としてはシートをトーチで炙り溶かしながら張り
付けるトーチ工法や常温状態で液状のアスファルト材を用い、改質アスファルトルーフィ
ング複数枚を交互に積層して張り合わせる常温工法(冷工法)
3)シート防水
ゴムシートや塩化ビニル系シートを下地に張り付ける工法
ゴムシートは加硫ゴムと呼ばれているものでゴム弾性があるので伸縮性に富んでいま
す。張り付け方には接着剤を使用する方法や機械的に下地に固定する方法等がある。
4)塗膜防水
ウレタン等の液状の防水剤を吹き付けたり、塗ったりして防水皮膜を作る工法。
その工法でも一般的に、ウレタン塗膜防水、FRP塗膜防水、ウレタン/FRP複合防水
がある。
(1) ウレタン塗膜防水
二液性のウレタン樹脂を混合し、合成繊維不織布などを補強材として下地に塗
布する工法。一液のものもある。
(2) FRP塗膜防水
液状のポリエステル樹脂に硬化剤を混合し、ガラスマットなどを補強材として下地
に塗布する工法。
(3) ウレタン/FRP複合防水
下層にウレタン樹脂を塗布し、上層にFRP樹脂を塗布する工法。
層の間に層間プライマーを使用する。